「今こそ価格から価値の競争へシフトするべき理由」中卒のバカでもわかるマーケティング
筆者自身が中卒のバカです。
前回関連記事で
と言う「マーケティング研修」に触発された記事を書きました。
20世紀と21世紀の「マーケティング」の大きな違いは何かに目を向けると、3つの大きな出来事があり「戦略・手法」が変化したと捉えられます。
①複数台(もう数えられないくらいの)「コンピューター」を接続した「インターネット」の普及
②テクノロジーの深化により接続するものが「コンピュータ機器」に限られなくなった③スマホ・タブレットなど人のコミュニケーションツールが変わった
整理していくと上記の3つ以外にも挙げられるのでしょうが、そうした「デジタル」を活用した戦略・手法の話をする前に「マーケティングの基本」についてお話しておきたい。
【テーマ】
・ニーズ、ウォンツ
・マーケティングとは(前回のつづき)
ニーズとウォンツの違いがわかりますか?「顧客の満たされない心」をキャッチしよう。
1.ニーズとは
ニーズ(Needs)は「人間が感じる満たされないこと」を指します。「困りごと」とも捉えられます。
例えば「梅雨の蒸し暑い季節で、湿度・温度が高い。快適に過ごせないか」と言うものです。
可視化されておらず、この顧客の「ニーズ」が企業側から見えていないと見当違いな商品・サービスを提供してしまうことになってしまうということです。
2.ウォンツとは
ウォンツ(Wants)は「具体的な製品やサービスの欲求」です。
上記でいえば「ダイキンのルームエアコンが欲しい」と言った感じでしょうか。
ウォンツは顕在化していることが多く、ニーズは顕在化していないことが多い。ウォンツ(自社製品・サービス)をニーズ(顧客の困りごと解決)にキャッチアップしていないとビジネスは成長しないということです。
またキャッチアップしていくにあたり外せないのが「ニーズのレベル感」です。
「梅雨の蒸し暑い季節で、湿度・温度が高い。快適に過ごせないか」の例でいくと、
「けた外れに性能がいい。代わりに高い」または
「どのメーカーよりも安い。でも耐用年数は3シーズン程度」。どちらのニーズなのかが大事です。
ウォンツが「ダイキンのルームエアコン」ではなく「冷風扇」で十分。はたまた「除湿器がいい」。もっと言うと「ダイキンでなく海外製の廉価品でもいい」などなど、あるのです。
顧客目線と言うものですね。
欲しいものがない世の中で起こる不毛な価格競争の果てにあるものは?
「欲しいものがない」という言葉が世の中溢れています。
多くの製品がライフサイクルでいう「成熟期」を迎えています。
ちなみにライフサイクルは
「導入期」⇒「成長期」⇒「成熟期」⇒「衰退期」と人間の一生のように誕生から消滅まで時の流れとともに進んでいきます。
導入後爆発的に「成長」⇒すぐ「衰退」するもの、「成熟」が息の長いものさまざまあります。
30代くらいの人ならわかるかもしれませんが「たまごっちブーム」と言うのがありました。バンダイが1996年に発売した「たまご型の電子ゲーム機」ですが、小さくてポケットにも入るかわいいデザインと「たまごから孵るキャラクターをお世話する⇒育て方により進化」簡単ながら奥深いゲーム性に小中高生に爆発的に売れました。
デパートもスーパーも個人の玩具店も軒並み「品切れ状態」。入荷日には行列が出来て抽選販売・即完売の異常事態でした。
この混乱はメーカー側が予期した普及数に比べて市場(消費者ニーズ)が大きかったために起こったと言われていますが、メーカーが側が慌てて増産しニーズに耐えられる分を用意したところでブームは一気に衰退したと言う事例です。
話を戻しますと、食品・衣料品・生活用品・娯楽品とほぼほぼ世の中にあるものは「それ以上の成長(流通の拡大)が見込めなくなり」販売にブレーキがかかってきます。
結果どうなるでしょうか?
そう「価格競争」の発生です。
流通業は「競争相手より1円よりも安く」とチラシを折り込み、派手な装飾で製品の特性よりも「値段」をアピールしてあの手この手で戦います。
消費者の私たちとしても「安く物が買える」と言うのは「うれしい」かもしれませんが、冷静に見つめてみるとどうでしょう。
「安いしまとめ買いしておこう」⇒「でも本当にこれってほしいものだったっけ?」
私たちも「ニーズ」を見失ってしまいますし、企業側も「私たちのニーズ」が不透明になると「もっと良い商品を提供しよう!」と言う力が弱まってしまいますよね。
結果、競争していた企業の何社かは潰れ、生き残った企業は「もう安く売る必要がない(独占)となり、利益のために価格を釣り上げてしまおう」などと悪循環が生まれるんです。
これでは困ってしまいますね。
そこで登場するのが「マーケティング」です。
定義としては「利益を出しつつニーズにこたえること」。
お客さまには価格相応の価値を提供し、利益を出すためのモノづくり・価格設定・流通方法・販促を行うということです。
終わりに
物のない時代も・物があふれる現代も「マーケティング」は問われてきました。
現代は「モノ・技術先行」であるように私は感じます。
「味がいい・音がいい・美しい」生命維持とはまた別の領域にある「モノ・技術」については特に「消費者の感性に訴えています、良さがあなたにはわかりますよね?」が殺し文句のようで(そうストレートには言ってきませんが)、「違いのわかる自分であること(ありたい願望)」に酔ってしまうんですよね。
これからはある意味、催眠・心理トリックのような情緒的ではなく、本質的な「ニーズ」を捉えて信頼を作りファンを増やしていくマーケティング戦略が大切にされる時代がくると信じています。
そう変えていきたい。
最後までお読みいただきありがとうございました。